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ニッパーダイを読みながら15

官僚は、身分制を乗りこえ、試験と業績という民主的な原理に基づいて選抜される。 三月前期には、官僚は、市民と貴族の双方に対して距離を取っている。 1848年の革命の後になってようやく、官僚と市民の間の距離が縮まっていくようになる。 市民的社会が古い世界と異なる点は、個人から成る社会であるということである。 すなわち、市民的社会は、個人主義である。 社会のアトム化、個人の拘束からの解放が、 保守主義の側からも、自由主義の側からも、このプロセスに付随して唱えられる。 古い世界の人間は「全き家」や社団組織、ツンフトや村落共同体、 土地の領主や隣人関係、生まれ故郷、教会組織、 そして地域の結びつきの中での生を拠り所とした。 個人化のプロセスの一部分を成すのが、文化という独自の領域が重要性を増し、 そして市民化していったことである。 芸術と学問は、身分制社会の中で持っていた、固定された機能から解放されて、 原則的には誰でも参入できるものとなる。 世界と生についての解釈は、もはや教会だけの問題ではなくなり、 俗人、世論、公衆も取り組むべきものとされた。 組織は解体されるが、真空状態が出現するわけではなくて、 新しい組織がそれに取って代わる、それがアソシエーションである。 読書協会、美術協会、フリーメーソン、学術教会、音楽協会、職業協会、経済協会、 政治協会、合唱教会、体操協会、慈善協会、学術協会などである。 古い世界は、このような協会の、それぞれの個人の、 議論しつつ自らを了解し、共同で行動したいという新たな欲求に、 いかなる余地も与えなかった。 個人化と、各個人の自発的な結集とは、互いに対応し合っていたのである。 アソシエーションは元々、身分制に矛先を向けていた。 人びとは、生まれや身分を考慮することなく、 教養と業績のみに基づいて、この組織に所属するべきなのである。 協会には、階級間の距離を取ろうとする傾向と、 諸階層を統合して、連隊しようとする傾向とが並立していた。 労働者もアソシエーションを結成するべきだと考えられたのである。 アソシエーションは、プロレタリアートを、 脱プロレタリアート化して市民化する手段なのである。 疎外された味気ない労働に対して、 教養と、目的から自由な文化という普遍性で対抗することが目指された。 市民的社会は、専門化の道を進んでいく。...