メロビング朝のカトリック
クローヴィス1世(481年にメロヴィング朝を始める)
はカトリック教徒の妻の影響により、カトリックに改宗しました。
以下、メロビング朝の時期のカトリックの概観をしてみます。
1,アリウス派との論争
カトリックでは三位一体(父、精霊、子は同格)であるのですが(アタナシウス派)、
他のゲルマン民族に普及していたキリスト教アリウス派では、
新約の神は旧約の神より劣る、イエスは神でなく人間である、といった主張をしています。
カトリックの方が、新約の神と、イエスを重視していた、ということです。
2,ユダヤ人はキリスト教に改宗させる。
ユダヤ教もやはりイエスを認めません。ユダヤ教は旧約聖書しか認めないためです。
カトリックでは、イエスは、神を受肉した肉体であるため、
旧約から新約聖書への進展を理由のあるものと考えます。
3,ゾロアスター教との論争
ゾロアスター教は拝火教とも呼ばれ、火を信仰しています。
しかしカトリックから見ると、
火は人間の手で点火でき、消すこともできる、
そのような物が神のわけない、という考えをとります。
4,良いことは信仰に従ったため、悪いことは信仰に背いたため。
病気が治ったり、戦争に勝つのは、人間の力量によるものではなく、
信仰があつかったため、と考えます。
信仰の厚い聖者は、イエスが死人を蘇らせたように、
信者の病気をなおすことができます。
逆に病気にかかったり、死亡したり、敗戦したりするのは、
カトリックの信仰にそむいたためと説明されます。
5、古代ローマの詩人ウェルギリウス(前70年ー全19年)の叙事詩、
『アエネーイス』は認めている。
アエネーイスはラテン文学の最高傑作と言われているらしいのですが、
カトリックから見て異教であるはずのラテン文化が、
カトリックにも影響を与えていた、ということなのだろうか?
後代のルネサンスは、ギリシア文化、ローマ文化の復興という性格を持つのですが、
メロヴィング朝の時期にもローマ文化が認められていたとすると興味深いですね。