共産党宣言より3
プロレタリアートの勝利のためには、私有財産の撤廃が必要である。そのためには何が必要か? 私的所有が完全に廃止されるまで社会の全員にたいする平等の労働義務、産業軍の編成が必要である。 累進税、高度の相続税、傍系(兄弟、甥などの)相続の廃止、強制公債等による私的所有の制限が必要である。 私生児に嫡出子と平等な相続権をあたえることが必要である。 国立銀行を通じて、貨幣取引を国家の手に集中し、すべての民間銀行を禁止することが必要である。 私有財産が無くなれば貨幣は必要ではなくなる。 産業の経営、全ての資本、農業、工業、作業場、鉄道、運輸、交易、をたがいに競争する個人の手からとりあげ、 そのかわりに、共同の計画にしたがって、経営させるようにしなければならない。 こうしてそれは、競争を廃止し、そのかわりに、協同社会をもってくるであろう。 あらゆる生産用具を共同で利用し、みなの合意によってあらゆる生産物を分配するのである。 各人が、ただ一つの生産部門に従属し、その部門によって搾取され、 他のすべての素質を犠牲にしてただ一つの素質だけをのばし、 生産全体のなかの一部門だけしか知らないような人間では、生産の共同経営などはやれない。 社会全体が共同で、また計画的に経営する産業は、あらゆる面に素質の発達した、 生産の体系全体を見とおせる人間をなによりも前提としている。 プロレタリアートの教育は、若い人々が生産の全体系を非常にはやく経験できるようにする。 それは、彼らが、社会の必要や各人の好みに応じて生産部門の系列を順々にうつることができるようにする。 このようにして、共産主義的な組織になった社会は、 各人に、彼らの全面的に発達した素質をあらゆる方面にのばす機会をあたえるだろう。 そのために、子供を共同で教育し、また子供が両親に従属することをなくすこと、 すべての児童にたいする公共無料教育、児童の工場労働の廃止が必要である。