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共産党宣言より2

機械と分業とがすすめばすすむほど、労働時間の延長によってであれ、 一定の時間内に要求される労働もまた増大する。労働者大衆は、工場につめこまれて軍隊式に編成される。 彼らは、平の産業兵として、下仕官と将校との完全な職階制の監督のもとにおかれる。 ブルジョアによる自由競争は、大工業の始まりには、必要欠くべからざるものである。 なぜなら、それは大工業がおこりうる唯一の社会状態だからである。 ブルジョアジーは、こうして貴族と同業組合員との社会上の勢力をうちほろぼしたのち、 政治上の勢力もうちほろぼした。彼らは、代議制の採用によってこれをなしとげた。 代議制というのは、法律のまえでのブルジョア的平等、すなわち自由競争の法律的承認にもとづくものであって、 ヨーロッパ諸国では立憲君主制の形で採用された。 この立憲君主制のもとでは、ブルジョアだけが、選挙権をもっており、代議士、政府をえらぶのである。 精神的生産は物質的生産とともに変化する。ある時代の支配的な思想は、 つねにその支配階級の思想にすぎなかった。 法律、道徳、宗教は、そのいずれも、背後にブルジョアの利益をかくしもっている。 キリスト教の禁欲主義に社会主義的な色あげをほどこすほど、たやすいことはない。 キリスト教も、私的所有にたいして、結婚にたいして、国家にたいして、反対した。 そして、それらのかわりに、慈善と托鉢を、独身と禁欲を、僧房生活と教会主義を、説教した。 教会社会主義は、貴族の怒りに神の祝福をあたえるために、坊主のそそぐ聖水にすぎない。